アマゾンプライムで見るものなかったんで適当に漁ってると台風家族って言う草彅剛が主演の映画があったんで見てみた。
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めっちゃ面白い。
なんだか今期はアニメあんまりいいのがない気がしてて、作業中、映画やドラマを見ることが多く、家電侍、蛇のひと、双葉荘の友人とか見た中で、台風家族が一番おもしろかった。
ここでは台風家族の感想を書きたい。
キャラの濃い4人兄弟が遺産相続でもめる話
台風家族のあらすじをサクッと書いておくと…、というかアマゾンプライムで見れるからあらすじ読む必要ないよな、と思うけれど、一応書いておくと、こんな感じ。
銀行強盗で2,000万円強奪して以来、行方不明の両親を持つ4人兄弟。行方不明から7年経ったので失踪届を出し、両親が死亡したとみなして、葬式を上げることに。散り散りだった4人は遺産相続目当てで実家に集まることになるのだが…。そこで繰り広げられる金に汚い大人たちの醜いもめ事の顛末はいかに。
みたいな映画。
見た後に清々しい気分になる映画っていい映画だなーと思う。
ジブリの映画が楽しいのってどれも見た後「あー!見た見た!」って、なぜか腹でもさすりながらまるで「あー!食った食った!」みたいな感じで映画館を後にするから面白いと思ってる。
それだけ清々しく終わるというか。
ラピュタにしてもナウシカにしても千と千尋にしてもどれも腹をさすりたくなる映画というか。
この台風家族も見た後に腹をさすりたくなる映画だった。それだけ楽しかったし、清々しかった。
上でも書いたけどアマゾンプライムで見れるから、百聞は一見に如かず。まず見てみてほしい。すごい面白いから。
人は選びそう
そんな清々しさでいえばジブリ級といっても差し支えないであろう、というか個人的には差し支えない台風家族。だけれど見る人はかなり選ぶかなという感想。
まず家族で見れない作品になってる。台風家族って言うネーミングなのに。
その理由としてはMEGUMIの濡れ場?とも言えないけれどそういうシーンがあるのと、また俳優がだれかわからなかったけど、若い俳優の自慰行為のシーンがあるため。
台風家族を家族で見てたらかなり食卓気まずいだろうなーと思う。
そしてこのカットが必要かと言われれば全く必要ないっていうのもすごい。いらない尺を映画で使って、さらに家族で見るのを気まずくしてるんだから。タバコ的な。百害あって一利なし的な。
あとそういう濡れ場的な話ではなく、この映画自体クセがけっこう強めだと思う。
理屈重視で見る人は途中でいくつもツッコミを入れたくなるかな、という感じ。それくらいいろんな部分でご都合主義というかノリの方を重視して作られている映画というか。
理屈で見てしまうと今泣くシーンじゃないの?え、今ってコメディのターンなの?っていう感情の切り替えも難しく感じるかもしれない。
グレンラガンが好きならマジでドストライクだと思うけど、ガンダムが好きならイマイチかもしれない。
好きなシーン
ここからはネタバレを含む、というかネタバレしか書かないんでまだ台風家族を見ていない人は読まないでね。
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かなり空白開けたから大丈夫だろう。
んじゃネタバレありで台風家族の好きなシーン、面白かったシーンを。
草彅剛のこれでもかというクズ人間ぶりが最高
主演が草彅剛なんだけど、この草彅剛のクズっぷりがもう清々しい。
次男と喧嘩するシーンで劣勢になったとき、「ちょっとタンマ」を連呼し、次男が「ま、まあ、そうだよな」と引いたところに間髪入れず殴りを入れるシーン、しかもそれがネコパンチで空振ってるのが最高にクール。
それ以外にも贖罪の気持ちしかない丸坊主の女性の差し出した銀行通帳をなんの躊躇もなくパンツの中に入れたりと、もうすごい。
ラストの海岸で、妻に対して「そのかばん持って逃げろー!」もよかった。とにかく草彅剛がすごくよかった。
ただVHS見ての泣きのシーン、それと河原で両親の遺体を発見して何か叫んでるシーンだけはあんまり演技がうまくない気がした。たぶん声が通らない声質のせいかな。
嵐の中キャンプ場に行く時のゆっくりカット
物語終盤、嵐の中キャンプ場にみんなで行く時の、スーパースローカメラみたいな演出がめちゃめちゃ面白かった。
台風家族はここまでの展開で、かなり動きのない映画。
ほぼほぼ実家の一室でカメラもあまり動かずに話が進んでいく。それがここにきて一気にどこかのアーティストのPVがごとく動くのがその緩急の付け方がすごい。
そして8人?全員がそのアーティスティックな外出を行った後の、「これ軽じゃん(全員乗れないじゃん)」っていうまた緩急つけてくるのがめちゃくちゃツボだった。
たぶん監督としては序盤のケンカのシーンとか包丁乱闘部分とかでスローモーション入れたかったはず。でもこの終盤の外出のみにスローモーション入れてるのがハイセンスすぎてすごい。
白骨死体が川流れするシーン
これは理屈で見てる人からすると白骨死体が7年も川に残り続けて、偶然草彅率いる家族一行が見つけたそのタイミングで嵐の増水によって川を流れる、っていうのはどう考えても不自然すぎでしょ…、と思わずにいられないシーンだと思う。
いくら廃キャンプ場だからといって7年間だれも来なかったことが考えられないし、そもそもこの7年で一回も嵐が来てないのか、それから白骨死体がなぜ関節もないのによくあるアニメ等のガイコツよろしくすべてきれいにつながった状態で川流れするのか、ともう白けさえしてしまうかもしれない。
でもこれは精神世界のお話だと思う。
車に乗り込んでからの部分は全部そうで、人の心の昇華を描いているシーンだと個人的には思う。だから実際にはあれは夢で本当はキャンプ場になんていってなくて、海にも行ってない、あれくらいの奔流が各登場人物に起こった、っていう見方でもいいと思う。
両親の白骨死体が川流れ。借りてる車の破損なんてどうでもよく峠を下り、そしてついには全員で走って海にたどり着く。
両親の思い、2,000万円を銀行強盗するほどまでの強い思いが、4人兄弟に伝わって、それが両親としても兄弟としても華々しく昇華されていくのがこのシーンの伝えたい事。
そうしてお母さんが、生涯見ることのなかった海に流れ着くことでその昇華は終わりを迎える。
まとめ
草彅剛主演映画「台風家族」の感想と好きなシーンをネタバレ込みで書いた。
まとめるとクセが強すぎるきらいはあるし、理屈を重視する人は苦手かもしれないけれど、ノリがよくてそして清々しくて、コメディとしても感動モノとしてもとても面白い映画だなと感じた。
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