中村文則さん「列」感想と評価を。
面白かった
たぶん中村さんの最新作?な「列」を読んでみた。
なんていうかそれまでの長編と違って、めちゃめちゃ本が細くて、んで字も大きくてどうしちゃったのっていうのが第一印象。
逃亡者とかカード師とか無駄に分厚かったのに。ページ数わけてあげればいいのに、ってくらい「列」は貧相。肺活量すごい人なら飛ばせるんじゃないかな。吐く息で。
でもまー、なんていうか面白かった。この「列」。
すごいわかりやすい作品で、人間がどうやっても競争社会にいるっていうのを、列、で例えている作品。深いとかそういうのはなくただわかりやすい。あと文体が面白い、そういう本。
今並んでる列でたとえ先頭になったとしても、左を向けばまた違う列ができていて、自分はその列のどこかにいることになる。それが一生続く。そういうものなんだなぁ。
みたいな。
なんていうか、チーズはどこへ消えた、みたいな感じの本っていうのかな。
個人的に一番面白かったのは、中村さん「言わなかった。」構文の後に「言っていた。」という切り返しの部分。
漫才やん。こんなん。
おもわず笑ってしまった。
その後にも実際にはメールは送らなかった。からのメール送ってしまった。とかいう類似構文もあって自分で作った「言わなかった。」ルールをすごい面白く裏切ってくるのがツボだった。
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