螺旋プロジェクトの本も残りわずか。
今回も螺旋プロジェクトの1冊、乾ルカさんの「コイコワレ」の感想と評価を。
めっちゃ面白かった
すげー面白かった。
なんだろう、ずーっと面白いし、最後も面白いし、いい。いい小説。
国語の教科書とかに載ってもいいような内容なのに面白い。
すごい。
なんかこの本の中に出てきた人たちの人生がこの本の中だけで終わってしまっているのに喪失感を感じるというか。
よくあるじゃん、ゲームのエンディング見ちゃうともうこのゲームの世界に浸れないんかー、みたいなやつの強い版みたいな。
ゲームとかだとまたそのゲームやりなおせばいいんだけど、このコイコワレの場合は、そういうのじゃなくてこの登場人物たちの人生が本当に過去にも未来にも続いていて、この小説はその一部を切り取っただけのものなんじゃないか、って思っちゃう。
だからその切り取られていない部分が見られない事に喪失感を感じるというか。
他人のホームビデオをその人の人生分もらったと思って、途中のを数本見てたら後半のやつデータ壊れてて見れない。みたいなそういう。
今回の螺旋プロジェクトの中で一番のあたりだった。
乾ルカさんの「コイコワレ」のあらすじは、
第二次世界大戦時、東京から疎開した小学6年生の清子と、疎開先の寺の小学5年生のリツのお話。螺旋プロジェクトは全作品通して海族と山族という会えば絶対に対立してしまうという民族の話になっていて、コイコワレでは清子が海族、リツが山族。
清子とリツも出会ったその日に理由のない憎悪を互いに互いに感じる。そこからの2人の交流が描かれてる。
みたいな。
あらすじだけ見るとぜんっぜん面白くなさそうで、まじで国語の教科書のおもしろくないやつ、まーた戦争物の面白くないやつかよー、感すごいんだけど、読んでみるとめっちゃ面白い。
登場人物がみんなすごい魅力的なんだよなー。ちょい役のキャラも読んでるだけですごい微笑ましくなってきちゃう、そういうキャラの魅力がすごい。
戦争中の話だからキャラが死んじゃったりもするんだけど、キャラが魅力的だから死んじゃうとそれはもう大きな喪失感。泣きそうになる。
リツも可愛いし清子も可愛い。
清子と一緒に疎開してきたクラスメイトも可愛い。リツのおじいとおばあも可愛い。リツの方言がかわいい。
全部可愛い。
たれぱんだ?サンリオ?ポムポムプリン?
それに対し、こちらは、リツ、清子、おじい。
勝負になるくらい可愛い。
それでいて本としてメッセージ性も高いし、自然の描写もカッコつけすぎてなくて凛とした、そして素朴な世界観でいいし。と、本当にすべての人におすすめできる傑作だと思う。ここ3か月で読んだ本で一番かもしれない。
特に中学生の読書感想文とかで読んでみてほしい作品。これきっかけで本好きになるんじゃないかな。読んで数日たってるけど、まだリツとリツのおじい、おばあの雰囲気、ずーっと脳内にこびりついてる。それくらい深く刺さった。
いやー、マジでいい本。それしか言ってないけど、よすぎてそれしか感想が出てこない。なんならその日のご飯全部うまくなるくらいのバフかかったもんな。
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