螺旋プロジェクトという作品群の中で、最後に読むことになった薬丸岳さん「蒼色の大地」の感想と評価を。
普通だった
いや、面白いんだけど、ものすごい誰でも書けそうな内容の本だったなーという印象。
この螺旋プロジェクトは太古より日本に存在した、海族と山族という、出会うと必ず争いあってしまう2つの種族の対立を異なる作家さんが紀元前から戦国時代、未来までリレー形式で書く、という企画となってる。
んでこの薬丸岳さんの「蒼色の大地」は戦争前の日本、という時代設定。
うーん、海族と山族の対立をえがこうとしたらたぶん10人いたら9人はこういうストーリーにするだろうな、っていう内容になってて、驚きとかそういうのがなかったのがもったいなかった。
俺でも同じようなプロットになったんじゃね?っていう。
ものすごい悪く言うとそこらのソシャゲとストーリー展開変わらない。
対立種族、その両陣営のリーダーに確執があり、その下にいる海族と山族にもそれぞれ憎しみだけでない、愛などの感情があって、最後にはリーダーがついぞ知りえなかった、民族を超えた自己犠牲があったり。みたいな。
すごい月並みなストーリー。
ただ螺旋プロジェクトの本は確か全部で7人の作家さん、8つの作品で成り立ってるはずで、僕はこの薬丸岳さんの「蒼色の大地」がラスト8冊目だった。
そうなるとこれまで7冊で出てきた設定とかキャラが出てきたりするのもあって、「ああ、なんか感慨深いな」みたいな懐かしい気持ちがあって、そういう部分では面白かった。
後は文章の思い切りがいいのが読んでて気持ちいいなーってのはあった。
会話の文の後に、その相手の言葉が意に反した場面とかで、すぐに短く、
- 違う。
とか超短く、端的に書かれてて、そういう思い切りの良さというか短い言葉に重さを持たせる書き方みたいなのはかっこいいなーと思った。
でもまー、申し訳ないけれどこの本を読んで、薬丸岳さんのほかの作品を読みたいとか、そういう気持ちにはなれなかった。
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