渋い、と人選ミス

渋い、ってどういう意味なんだろう。

ここ最近会う若者にだいたい言われてる。半年で5人に言われてたらもうそれは渋いんだろう。

まあもう三十代半ばだし少しは年の功みたいなの出てきたのかなとか思うけど、たぶんそうじゃなくて年上のくせに無口でリードしないから渋いって言うしかないんだろうな…。ごめん。

「リーダーシップあるっすよね！」とか「ついていきたいっす！」じゃなくてなんとか上司を褒める時の言葉が「渋い」だと思う。リーダーシップないものなー…。人を導きたいと一切思ってない。だから仕事としてやらなくていい時はいつもぼーっとしてる。

直そうにも若い人となに話したらいいかわからないんだよな。

さっきも知り合いの若者？から電話があって聞いてたけどよくわからなかった。向こうはなんか満足したらしく終わった。

だからだいたい相手の話をうんうん聞いて、そうなんだねって言ってるだけ。そうなんだねって言ってるけどほぼわかってない。なんか違う感情域の話をしてるんだな、ってわかるくらい。

ティンダーでどうの、めっちゃサッドです！とか言われても、そうなんだね、サッドなんだね、しか言葉が出てこない。

「あは、やっぱり横文字の方が○○さんにハマるっすね」て言われても、ハマってないしよくわからない。

でどうのこうの。「○○さんはやっぱりもっと大人な感じなんですか？ウィスキーとか飲んで口説くみたいな」て言われても、オレは土日自転車でいろんな坂を下るのを楽しんでるただのガキだから。何にも言えない。そんな怖そうなバー行ったことない。個人では鳥貴族しか行ったことない。どうせ架線下だろ？そんなバー。架線下なんてなんかアングラでだいたい行かないよ。だいたいユニクロで済ませるよ。

明日もどの坂を下ろうかワクワクしてたところの電話。

いろんな坂を自転車で下るのを楽しんでるヤツが渋い事なんてあるか。いいやない。

完全に人選ミスをしている。

たぶんだけど人ってのは自分を意識してほしい、かまってほしい、ってのを無意識に思ってるんだと思う。潜在的かまってちゃんというか。

だから構ってくれないと逆にその人が気になるっていう精神があるんだと思う。

オレはコミュ障なのかもしれないけど、とりあえず人にかまわないし、どうなってほしいとか、そういうのも部下や友人、家族や恋人に至るまで何もないからぼーっとしてる。好きなように生きればいい。その人の人生なんだから。誰かがどうのいうのは筋違いだと思ってる。世間一般的に完全に間違ってる行動でもそれがその人のやりたいことならそれでいいと思ってる。

だから逆に向こうからぐいぐい来るんだろうな…。言ってる事全くわからないけど。なんたってオレはとにかく坂が下りたいんだから。