AIの遺伝子っていうアニメ、短編集ばっかりなのもあって特におもしろいとおもえてなかったけれど、そんなのよりAIの遺伝子ていう物語の背景になってる、人権を認められたヒューマノイド、っていう存在が初回から11話までずーっともやもやしてる。
もやもやしてるからさらに楽しめない所もある気がする。
12話で説明があったり、原作の方ではちゃんと説明されてるのかもしれないけど、アニメだけ見てるとこんな短編するんじゃなくてちゃんとバックボーンの説明してほしい、っていう気持ちがグングン強くなってく。それに比例して短編はたんぱくに感じられていくというか。
そりゃそうだよなー。
自分が知りたい事知れないままってなると、それ以外どうでもいいからはよっ!ってなるよなー。
ヒューマノイドに人権?
AIの遺伝子では冒頭でも書いたけど、人間と、んでヒューマノイドっていう人間と同じように成長してそして死ぬAIが人権を認められて、共存している世界が舞台。
人間が自ら作ったものに人権を与えることなんて絶対にないと思うんだよなー。
神が人間を神にするかっていう。絶対にしないでしょ。
あとAIの遺伝子見ていてさらにもやもやするのが、産業AIっていうヒューマノイドとは別に人権の認められていないAIも存在して、んじゃ両者の線引きはどうしてるの?っていう。
原作の方にはそういう説明もあるのかもしれないけど、アニメの方は11話まで見たけど全く説明がない。
なのでアニメのみ視聴だと「あれ?こないだの回ではAIをもっと人権的に扱ってたじゃん。今回のこの女性に癒しを与える男性AIはなんでこんな扱いなの?」みたいな感じになる。
あと10話?辺りではヒューマノイドによる殺人事件が発生するけど、そんなの起こったらすぐにヒューマノイドから人権を剥奪しろ!っていう暴動がおこると思うけどなー。
逆にヒューマノイドはキレないの?
まあとりあえずんじゃめちゃくちゃ人間がガンジーみたいな人ばっかだったとして。自分らが作ったヒューマノイドに人権を認めたとして。
次いきたい。
AIの遺伝子のヒューマノイドは筋骨格も人間と同じように成長していくんだけど、陸上競技は人間と同じレースに出るらしい。んで種目によっては人間とヒューマノイドで分けられてたりするらしい。
…はい?
陸上競技が一番筋肉が大事なんだから真っ先に分けられるでしょ。反対に球技とかで混合ならわかるけれども。
人が作った筋骨格を持ってるのがヒューマノイドで、んじゃそれってそもそもそこからプロなんて出るはずもなく、仮にプロが排出されても応援する気持ち削がれるだろうし、それでもヒューマノイドに人権認めてるのがすごい。
逆にヒューマノイド側がキレてもいいくらいよくわからない世界。本当にヒューマノイドに人間と完全に同等の精神があるなら、人権は認められても人口骨格という点ですでに職業選択の自由が狭められてるわけで。
産業AIにしてもそうで、自分らには人権がなくてヒューマノイドには人権があるってなったら不満しかないだろう。
すごいもやもやする。そういうもやもやが11話までまったく解決されないまま淡白な短編がずーっとブラックジャックみたいな感じで続いてくのがAIの遺伝子。
コピーしたらコピーされたやつが罰を?
んでAIの遺伝子ではヒューマノイドの人格コピーというのがかなり大きなテーマとしてある。
人間と違ってヒューマノイドはその精神部分?がAIだからそのままそっくりコピーして他の体に入れることができる。
んでそれは禁忌として法律で厳しく制限されている。
脳のコピーってことなんで法律で制限されているのはよくわかるけど、AIの遺伝子ではそのコピーを実行した人だけでなく、コピーされたヒューマノイドも逮捕される。
…よくわからない。
それって人権認められてないじゃん。
特にコピーを使って新たに作られたコピーヒューマノイドが不憫でいたたまれない。
元ヒューマノイドに関しては自ら「コピーしたいでーす!」なら逮捕されるのもわかる。けどコピーヒューマノイドに関して、さらに元ヒューマノイドが自分の意志に関わらず強制的に誰か悪い人にコピー取られてた場合って、それって気づいたら別の体に元の記憶持って入れられてて、んでよくわからないのに警察に見つかったら逮捕されて終身刑ってこと。
こんなん現代だと親が犯罪者だからその子も刑務所に隔離しよーぜ、っていう人権完全無視の考えに近い。
んでさらによくわからないのが主人公の母親がなんかヒューマノイドらしくて、自分のコピーを作って、この時はコピー元の母親が捕まってる。かたや、主人公の助手をしている女の子の方はコピーされた側だけが捕まってる。
その差は一体なんなの。
確かに母親の方は自分で自分のコピーを作ることを望んでしてるから、現状の刑法と照らし合わせても動機があったってことで捕まるのもわかる。
対して主人公の助手の方は自ら自分のコピーを作りたかったわけじゃないんで逮捕されないのもわかる。結果としては。
謎なのは主人公の助手の方に自分のコピーを作る動機があったのかどうか、警察は捜査もせずにいきなりコピーヒューマノイドだけを逮捕っていう部分。
本来なら両方とも捕まえてなんか現代より進んだ方法できちんと取り調べを行わないといけないだろうと思う。
脳の構造はまだ完璧には解っていない
AIの遺伝子の3話目か4話目くらい、わりかし初期のアニメ回で主人公が「脳の構造はまだ完璧には解っていない」みたいなことを口にする。
うーん、んじゃヒューマノイドのAIってどうなってんの。
まだ完璧には解っていない人間の脳を解ってる部分だけ再現した、って事だろうけど、ならなおさらそんなのに人権認めるわけない。
言ってしまえば広義のアイボと変わらない。
ていうかヒューマノイドなら人間が作っていい、って言う倫理観もおかしく、それって生命を作り出してるのと変わらない。人権認めてるんだから。
生命回りに関する倫理がそこまでゆるいとなるなら、先にもっと進んだ人工授精の技術が確立されるだろうし、胎外受精と、透明の円柱の中で紫色みたいな培養液の中で、胎児の生育が可能になる世界になってるだろう。
てことでヒューマノイドは犬猫と同等の扱いしか受けられないと思う。
チンパンジーが人間の小学生くらいの知能があるからといってチンパンジーに人権を与えたりしない。
まとめ
AIの遺伝子ではなぜヒューマノイドに人権が認められてるんだろう、っていうもやもやについて書いた。
まとめると、
- まだ構造を完璧にわかっていない人間の脳を模して作られたはずのAIが組み込まれた、赤ちゃんから成長していって人間と同じように死んでいくヒューマノイドっていうのに人権を与えてるけど、コピー回りとか人口骨格、産業AIなどAI側がなぜキレないのかわからない設定が多い
っていう感じ。
現実世界ではAIに人権を与えることなんて絶対に起こりえないだろうなー、って見れば見るほど思ってしまう。もし与えることになるなら、マトリックスのように人間がAIと戦争して負けたときしかない。
個人的にはこのもやもやの説明が一切ないのが理由でAIの遺伝子を楽しめていない。
もしかすると原作の方では、そういう違和感やモヤモヤを与えまくって、最後には実はそれはAI側の静かな侵略、静かな戦争が進んでたからで、人間は知らず知らずのうちに洗脳されていた、みたいな展開なのかもしれない。
そらならそれでたぶん1クールしかないんだから、違和感部分の尺減らして物語の根幹をもっとアニメでしてほしかったなー。
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