昨日駐輪場で自転車盗まれて、んでまず思ったのがまさか自分が?、というよりあのおんぼろ自転車が?っていうことと急なお別れに対しての不思議なくらいの乾いた喪失感。
実感が伴っていない。
まだ本当はすぐそこにいて、いつでも跨がれるんじゃないかって。
で、そのあと警察に届け出て、盗難届書いてもらうかんねー、で交番に1時間くらい座らされて。何の親切なのか盗難届の資料は全部向こうで作ってくれる。
けど交番の奥で作ってくるから、その間ずーっと一人表の交番側、というか、ふだんみんなが目にする交番、つまり懸賞金のかかってるおじさんの顔と行方不明者のリストが日めくりカレンダーになってるくらいしか読み物のない場所に一人放置され続ける。
んで無駄に時間拘束食らって、電車で帰宅して。
ただ交番内で無駄に指名手配の写真とにらめっこしてるときに考えたんだけど、わざわざ駐輪場からかぎの掛かってる自転車を盗むかな、しかもロードバイクとかじゃなくて普通のママチャリを。俺なら盗まない。リスクが高すぎる割にリターンが少ない。酔っぱらった学生の集団が悪乗りでするくらいだけど、周りにほかの利用客もいるだろうしまあ普通ならやらない。
なら間違って乗って帰ってしまったんでは?似たような色の自転車を近くに止めてて、んで鍵が偶然回ってしまって乗って帰ってしまったんでは?って。
実際その駐輪場の閉まるギリギリにオレのによく似た自転車が止めっぱなしになってた。で、警察から解放された後「これじゃね?こいつがまちがったんじゃね?」って思ってた。
そうして今朝。
警察から電話があって。
「霧島、部活やめるってよ」
だって。
自転車、見つかったんだってよ。
思っていた通りで自転車間違って乗って帰ってたらしい。つまり偶然似たような色の似たような自転車が駐輪場の近くに止めてあって、そして間違ってカギを回したら偶然カギが回ってしまって、そのままその自転車に跨って乗って帰った、と。
すごい偶然。
自転車戻ってきてくれてめっちゃうれしいんだけど、それなら昨日の時点で駐輪場に電話するなりしておいてほしい。それですべて済んだのに。最悪警察に電話しておいてほしい。
今朝になってからでいいや、っていう考え方がよくないよなー。自転車なくなった側の人がどういう帰路につくのかとか、警察に届け出たらどうなるのかとかちょっと想像してみるべきだよなー。
どうせ想像だけど、家で家族団らんの食事中にカレーでも食いながら「今日オレ(わたし)自転車間違っちゃってぇー!」「なんとっ!違うのにカギ回っちゃったの!」「はははっ、そりゃ傑作だー!なかなかないよなっ」「へへっ、でしょー!」「明日になったら交番に持っていくのよ、もうあんたったらそそっかしいんだから」
みたいな感じだろうと思う。
その家族団らんの心温まる会話の間俺は、一人とぼとぼ電車で家に帰って、自転車なら寄れたであろうスーパーに寄れず、夕食の材料が買えず、家に帰って買い置きしてあったカップ麺をすすってた。2個も。
カップ麺2個もすすった。
自転車がなくなっても、すすれんだなーって。人間、カップ麺をすすることはできるんだなーって。なんというか、こんな時でもすする力だけはでるんだなーって。
やっぱり赤ちゃんの時から母乳をすする事だけはしてるから、すする事っていうのは人間、最後まで衰えないんだなーって。
風が吹けば桶屋が儲かる的に、自転車盗まれてすすりに気づいた。そんなお盆の日。
そうかすすりからスリという単語は…。
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