グラスホッパーと聞くと、いつもグラスホッパーマニファクチュアというゲーム会社が頭によぎってくる。
ここではそんなバッタを意味するタイトル、伊坂幸太郎さんの「グラスホッパー」の感想と評価を。
発展途上感
このグラスホッパーは前にレビューしたマリアビートルの前作にあたる作品。なので本来であればグラスホッパーからのマリアビートルという順番で読むべき作品たち。
ただ図書館で適当に本を借りてるんでマリアビートルを借りたときはまさかこれが続編だとは露とも知らず借りてしまってたわけ。
でそのマリアビートルが伊坂さんの作品の中ではたぶん一番好き、というかものすごい面白くて、久しぶりにページをめくる手が止まらない、ヨダレだらだらで読んじゃったんで、んじゃその前作のグラスホッパーも読みたくて仕方がなかった。
…んじゃ、なんていうか普段の伊坂さんとマリアビートルのちょうど中間地点みたいな作品で、ちょっとがっかりしてしまった。
いや、グラスホッパー単体で読んだら十分面白いんだと思うけど、こっちはもうマリアビートルっていうさらに上質な作品読んじゃってるからそれと比べるとどうしても中途半端感が否めない。
ネタバレになるけれど、特に気になったのが鯨の最後。
あまりにもかわいそすぎない?っていう。アサガオ?のおぜん立てのためだけに存在したようなキャラになっていてなんか腑に落ちない。
田中さん自体が劇団の人物で、鯨の精神もうまく使ってこの計画を果たした、ってことなんだろうけど、それにしても救いがなさすぎる。
でもマリアビートルと同じで、人の生死が、適当に昼ご飯でも作るかのように描かれていくのは新鮮で面白い、というか伊坂さんの文体だからこそできることだよなーと読んでて面白い。
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