清水義範さんの「永遠のジャック&ベティ」の感想と評価を。
めちゃ面白かった
やばい。
これも他の清水さんの本と同じで短編集になってるんだけど、中でも「インパクトの瞬間」はやばい。
読みながらずーっと笑ってた。ニヤニヤなんて生易しいやつじゃなくて、ゲラゲラ笑ってた。漫才見た時より笑ってたかもしんない。
あらすじ書こうものにも話としてはなんの進展もないから、あらすじ書けない。というよりあらすじなんていう高尚なものがこの「インパクトの瞬間」にはない。ある意味では究極の駄文かもしれない。
インパクトの瞬間にヘッドが回転する。
で、あーだこーだ話が始まる。こっちとしては「何のヘッドだよ。ゴルフ?野球?それともカミソリとかそういうのか?」と思いながら読み進め、である程度進んだところでようやっとゴルフクラブの話だとわかる。
ヘッドが回転するから思わぬ方向に球が飛んでいく、それを防ぐにはどうすればいいのか。そうヘッドが回転しないクラブを使えばいい。しかしヘッドが回転しないクラブを手に入れようとした場合、我々人はどうすればそれを手に入れられるのか。ただぼーっとしていて手に入るのだろうか、コンビニの前の傘立てに刺さってるだろうか、それとも街を歩いていたら偶然手に入れらるだろうか、もしかしたら上司から昇進祝いにもらえるのか。いいか、幸いなことに世の中にはゴルフクラブが豊富にそろっている天国のような場所がある。
ゴルフショップだ。そうだ、我々はヘッドの回転しないゴルフクラブをゴルフショップで買えばいい。
そして結局、インパクトの瞬間にヘッドが回転しないゴルフクラブをお店で買うとゴルフが楽しいよ、というクソみたいな結論になる。
だから何だよ。
と終始思いながら、でも悔しい事にずーっと笑ってしまう。文体がすごい。
んじゃ次はジンクピリチオン配合、セラチオペプチダーゼ配合、デュラムセモリナ100%と聞いたとき、人はもはやその言葉に抗えず、うつろな目をし、服をはだけさせ、どうにでもして…、と懇願してしまう。そんな何かすごい言葉である。
そして遠赤外線焙煎コーヒーと粗挽きネルドリップ方式コーヒー、果たして僕はどちらの靴を嬉しがってなめればいいのか…、もうわからない。
みたいな話になる。
だから何だよ。
とまたもや思いながら、でもとても悔しい事にずーっと笑ってしまう。
とにかくヤバい。M1優勝するだろうな。
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