PSそしてPS2。
思えば一番ゲームが熱かった時代だと思う。
もちろんぼく自身が学生で、ちょうどPS、PS2時代にゲームを目いっぱいするだけのありあまる時間があったのもそうだし、ぼく個人ではなくゲーム市場という意味でも、いろんなゲーム会社がいろんなジャンルのソフトを作り、それらはあるいは神ゲーであるいはクソゲーで。そんなカオスを楽しめるいい時代だったように思う。
ワイルドアームズ、ブレスオブファイア2、幻想水滸伝2、ボクと魔王、セブン、レジェンドオブドラグーン。そして前回記事で書いた、RPGの中ではこれまでもそれからこれからもずっとNo1だと思っているシャドウハーツ。
どれもまた折を見てぜひプレイしたい個人的に大好きなゲーム。
さて。
そんなプレステ、プレステ2のゲーム黄金期ともいえる時代に、今は妖怪ウォッチや二ノ国などで名前を馳せているあのレベル5が出した名作RPGがある。
ダーククロニクル。
玉木宏と上戸彩が声優起用された”迷作”の方のメイサク「ローグギャラクシー」だと思ったのなら残念。ダーククロニクルの方だ。
ぼくはこのゲームの曲が好きすぎて、初めて携帯の着メロ作成機能で耳コピをしたほどだった。
せいぜいギターのコードを「じゃーん」と鳴らすくらいしか楽器が弾けない、そんな状態だったのでもちろんぜんぜんうまく耳コピできない。当時はついに途中でやめてしまって、結局その後大学生になりリベンジしてなんとか形にしたのを覚えている。
今思えばパソコンでDTMを始めたのも、ギターをちゃんとがんばるようになったのも、大学で音楽科の教授に頼んで授業を聴講させてもらったのも、ダーククロニクルの影響がそれなりに大きかったのかもしれない。
実際ダーククロニクルのBGMに出会ってからゲームの音楽をちゃんと聴くようになった気もする。
そんななんかすごいゲーム。それがダーククロニクル。
今日はプレステ2の名作RPG「ダーククロニクル」について書きたい。
コピペダンジョンがだるい!けど…
ダーククロニクルはやれることが多すぎて、一言でこんなゲーム!とはなかなか言い表せない(逆に一言で言い表せるゲームに名作というのはないような気もするし、これは名作の宿命なのかもしれない)。
ダーククロニクルは基本的に自動生成されるダンジョンを進んでいく単調なゲーム。
ダンジョンの最深部でボスを倒すとストーリーが進み章が変わる。章が変わると挑むダンジョンも変わって、海辺のダンジョン、地下水道のダンジョン、森のダンジョン、と大まかなバリエーションはもちろんある。
しかしダンジョンが自動生成される都合上、おんなじようなマップを延々と敵を倒しながら進んでいくことになりぶっちゃけ短調だしけっこうだるい。いやかなりだるい。
同じくレベル5製のRPG「ローグギャラクシー」ではこの点が酷評されているが、これはダーククロニクルも全く同じ。
ただダーククロニクルは曲がとにかくいい。
ダンジョンの曲も、1時間くらいずっと聞いていられるような上質すぎるBGM。特にステラ渓谷とガンドラダ大工房のBGMは本当に誇張ではなく当時実際に1時間くらい聞き惚れていたと思う。
コピペダンジョンもBGMのおかげで苦じゃなかったというか。
またダーククロニクルはダンジョンの敵殲滅後にゴルフと釣りをして遊べる。このゴルフがまた難しくて、今まで敵と戦っていた、そして自動生成されたマップをそのままゴルフコースにしているから難易度が毎回天と地ほどの差がある。
うまくカップインできた時が本当にうれしい。
釣りも面白い。
ダーククロニクルでは釣りあげた魚をレースに参加させることができて、人によっては魚を釣るためにダンジョンを攻略している、そんな逆転現象が起こっている人もいたかもしれない。
またBGMの話に戻ることになるが、ダンジョンは敵殲滅後にBGMが変わる。このBGMも素晴らしい。釣りで魚がヒットしたときもBGMが変わる。これももちろん素晴らしい。
全ての行動で上質なBGMが流れる、だからすべての行動をしたくなる、そんなゲーム。
ダーククロニクルのちょっと…な所
コピペダンジョンに触れたのでダーククロニクルのちょっとよくないな、という部分を先に書いておきたい。どんな名作であっても点を欠いている部分というのはあるものだ。
よく引き合いに出されるあのガンジーでさえ、きっと幼少期には弟を殴りまくっていたに違いない。
ストーリーがショボめ
絵本のようなデフォルメ3Dで雰囲気はものすごくいいゲームだけれど、ストーリーはけっこうショボめ。ステラ渓谷などちょっとウルッとくるようないい章もあるけど、ガンドラダとかよくわからない。
というかダンジョンが長すぎて、そして釣りに、ゴルフに、魚レースにと、寄り道を楽しみすぎてダンジョン最深部に行ったときにはここまでのストーリーをろくに覚えてない人も多かったと思う。
モニカの特殊能力が死にスキル
ダーククロニクルでは2人の主人公を入れ替えながらダンジョンを進んでいく。
(ちなみにダーククロニクルの一つ前の作品であるダーククラウドではもっと多い仲間を入れ替えて戦うけれど、プレイアブルキャラを2人に絞ったのは正解だと思う)
少年ユリスはレンチなどの工具と銃を使い、少女モニカは剣と魔法の腕輪を使う。
それぞれ近/遠距離攻撃ができるようになっている。
そしてユリスは自身の作ったロボット「ライドポッド」に搭乗して戦う、いわば特殊能力がある。
対してモニカはモンスター変化バッジというものを使って、モンスターの姿に変化し、ダンジョンの同族モンスターと会話ができたり、そのモンスターのスキルで攻撃ができるようになる。
……
…
しかしこのモンスター変化がとにかく弱い。
ときどきクエストでモンスターに話を聞かないといけないときに使う程度で実戦ではほぼ使えない。モニカのまま戦った方がだいたい強い。
ライドポッドは高威力スキルを使えたり、機動力を高めたりと戦闘面で頼りになるのに。
さ、ダーククロニクルのちょっとダメなところは紹介し終わったのでここからはダーククロニクルの魅力的な部分をこれでもかと書いていきたい。
街クリエイトが面白い
少々ネタバレになるがダーククロニクルの世界には町が一つしかない。主人公のユリスとモニカは旅の中で他の街をもとに戻していくことになる。
そしてこの街を作る作業が非常に面白い。
ダンジョンで家の素材、とか、デッキの素材、とかを集めてそれで街を作っていく。素材を集めてそれで勝手に街が復元されていくわけではなく、自分でどこに家を置くか決められるのが当時斬新だった。
今だとソシャゲで、自分の家に家具とか置いてゲーム内の友人に足跡をつけてもらうようなシステムもけっこうあるので真新しくは感じないかもしれないが、当時はすごく目を輝かせたのを覚えている。
自分で家を作ってそれを好きなところに配置。木のデッキを作って海を渡れるように配置。今思うと、ダーククロニクルはマインクラフトの前身のようなゲーム性を持っていたように思う。
武器育成が面白い
ダーククロニクルは2主人公でそれぞれ2つの武器を持っていると書いた。
工具、銃、剣、魔法の腕輪。
これらすべての武器は一番ショボい初期武器から血統図のように分岐し最終形態まで育てられるようになっている。
つまり最初から最後まで一つの武器を鍛え続けながらプレイするという事も出来るわけだ。最初はレンチだった武器も最後にはDENSETSUとかいうよくわからない名前の武器になったり(進化先はあいまいなんで間違っているかもしれない)、モニカの方は最初は普通の剣だったのがダーククロニクル2みたいな名前のゲーム名を冠した武器に育ったりする。
何が面白いって武器はだいたい2つの進化先があって、進化させてみるまでどんな見た目の武器なのかわからない所。
もしかするとクソダサ武器になっちゃうかもしれないし、反対にすごくカッコいい武器にあるかもしれない。ただ武器を進化させるだけでもワクワクがある。
その他魅力的な部分
その他ダーククロニクルの魅力的な部分を。
- キャラの服装が変えられる
- ゲーム内で写真を撮れる
- カメラを向けると街のキャラがポーズを取ってくれる
- 日が沈み月が登る
- 写真でアイデアを収集して行う発明システムが面白い
- ユリスが可愛い
- モニカが可愛い
こんなにある。
とにかくゲームっていうのは本来こういうのだよな!というのをどこまでも盛り込んだRPG、それがダーククロニクル。
釣りにゴルフに、発明に。好きなことを好きなだけやってたら、気づけば数時間プレイしてた。そんなゲーム。
著名人の名前を出して威光を借りたくはないが、ブレイブストーリーを書いた宮部みゆきが好きなゲーム、そしてやりこんだゲームに上げているのがダーククロニクル。
当時スクエアエニックス作品を筆頭に日本のゲームは一本道ゲーと揶揄されている中、ここまで自由なゲームを着想できたのがものすごいと思う。
最後に
ダーククロニクルの魅力を語りだすと止まらなくなるのでここらへんで今回は止めておきたい。
でも最後に改めて思うのはやっぱりダーククロニクルのBGM。曲のすばらしさ。
今この記事を書きながらも、ガンドラダ大工房や魔人のBGMを聞いて思い出にふけっている。
この西浦さんという作曲家の作られる曲は、なんていうんだろう、メロディーラインがとても印象的。歌詞を乗せて歌入りにできそうなくらいシンプルですごく心地がよくて、そして耳に残るメロディ。
一番すごいのが曲のAパートBパートでメロディーの逃げが感じられないところ(そのほかもすごくシンプルにみえる伴奏やコード進行が実は人知れず転調していたりベースラインが奇想天外だったりとすごい)。
どんな曲でもここはちょっと力抜いて、サビで盛り上げて、とかがあるけれど、ダーククロニクルの曲はAパートもBパートもどちらも同じくらい素晴らしいメロディラインがずっと継続される。聞いてて飽きが来ない、というより飽きさせてくれない。
そこにあるべき音だけがそこに置かれている、そんな音楽。
ゲームは残念ながらやったことがないけどレイトン教授のBGMも同じく担当されているようなので、気になるなら聞いてみるとさらなる上質なBGMに出会えるかもしれない。
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