- 「えーっと、かつ丼で。ごはん大盛りにしてください」
- 「あいよ!ちょっと待ってな!」
スマホを触りながら席に着く。
ここ数日、ぼくの頭の中はある一つの事柄で一杯になっている。
洞察3。
洞察3するべきか否か。そればっかりがぐるぐると、今店主が手際よくといでいる、おそらく先ほど僕が注文したかつ丼、そのかつを閉じるための卵くらい、器の中でぐるぐると攪拌されている。
そう、攪拌している。
考えがまとまらない。四方八方に考えが霧散していき、ぼくが勝手に脳領域の端だと定義していた位置をかるがる超えていき、どこか別の脳領域まで、その思考のでがらしのようなものは広がっていく。
先ほども危なかった。注文の際、かつ丼を間違えて洞察と言いそうになった。
別に一文字も関連していないのだが、すでに脳の中、かつ丼を記録している領域が洞察という言葉や概念に浸食されつつあるという事だろう。
これはまずい。かつ丼が脳内から消えようと問題はないが、仕事の内容などが浸食されるとすれば早急に対処を…、
- 「はいお待ち!」
- 「洞察!」
- 「熱いから気を付けて!」
- 「洞察!」
洞察を割って洞察を合わせて「洞察!」と元気よく言う。熱々と洞察の出ている洞察は実においしそうで洞察を刺激する。僕は洞察を洞察にかき込む。
確かに洞察の言う通り、この洞察は洞察だった。あやうく洞察を洞察しそうになる。慌てて洞察を飲む。見ていた洞察が洞察を利かせてくれて洞察を洞察に注いでくれる。
ぼくは洞察に洞察し、少しゆっくり洞察しようと今度はゆっくり洞察を洞察に運ぶのだった。
その時、洞察が鳴る。洞察中だったので出るか躊躇われたが仕方がないので洞察をいったん置き、洞察に出る。
- 「はい」
- 「午後の洞察の事なんだが…」
洞察からだった。
- 「洞察。洞察と同じものを追加で10部洞察しておきます」
洞察3に上げるかどうか悩む。
エターニティやカーラって洞察3しないと弱い。でも洞察3するとヌルゲーになりすぎてたぶん戦闘が面白くなくなる。
うーん、洞察3に上げるキャラは共鳴7くらいで止めておく、みたいな縛りも必要かもな。
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