ぶっ飛んでて最高にイケてるやつ書こうと思ったらただぶっ飛んでるだけの意味不明なのになったなー。なんか薬やってんじゃないかみたいな内容。手直ししようにもノリで書いた系のやつは後から変更利かないのがよくない。
たぶん思い通りに絵が描けな過ぎてフラストレーション溜まってるんだろうなー。
ま、いいや。
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雷が落ちる。
それに打たれるわたし。
線香のような香りがした。
……
…
「次は新宿、新宿」
ホームで待つ。電車が開く。乗る。
同じ動作。同じ表情。
ガタンゴトン。揺られる。
空にクジラが見える。シロナガスクジラ。大きな空を泳ぐ。
「次は新宿、新宿」
ガタンゴトン。ガタンゴトン。
ピンクの世界が現れる。人はいない。誰一人。
つり革を掴む手ももう必要ないのかもしれない。イヤホンを抜く。おもむろに電子機器から音楽を流す。
ガタンゴトン。このビートとは合わないと遠くの方で感じる。
金木犀の匂い。
電車は速度を上げる。目を閉じる。
クジラが泳いでいた。せせこましく、矮小に。
金のラクダ
「○○ちゃんは?ねえ○○ちゃんは?」
「ごめんね、引っ越すことになったの、だからもう会えないと思うわ。今まで仲良くしてくれてありがとうね、××ちゃん」
夕日。闇。金木犀の香り。
ぶらんと手を投げ出す。
潰れた柿。
どこまでも続く道路。ただの道。遠くで聞こえる豆腐売りの規則的な雑音。
少女がつぶやく。
「ねえ、金のラクダを探して。」
覚えているのはそれだけ。
その日、闇の前の夕日がすべてを塗りつぶした。
サーチインブルー
それは衝動。
空に飛び込む。
緋色の空に。赤赤しいそいつに。
泳ぐ。
クジラの色の中を。草をかき分け泳ぐ。
クジラの匂い、クジラの味、クジラの色。
泳いでも泳いでも近づかない。
そうか、あいつはここにはいない。あいつは、月なんだ。
気づいたときにはもう遅い。もう戻れない。泳ぐ。泳ぐ。泳ぐ。
泳ぐ。青の中を。
はじまりは彼女
「はじまりは彼女」
と聖堂の中で誰もが唱えている。反響。そして反響。
辺りを見渡す。
その中に○○ちゃんがいた。
わたしじゃないわたしもいた。
誰もがいた。
ふいに涙が流れてくる。
「はじまりは彼女」「はじまりは彼女」
それは反響か。それとも終わることのない唱歌か。あるいは己の反芻か。
耳に粘っこく張り付く。
レッド・レッド・レッド
ジャングルジムの上。
雨。鉄のサビた匂い。
「××ちゃんへ きょうまでありがと、また、ぜったいあおうね!○○より」
濡れていく。にじんでいく。
涙を捨てるように目を閉じる。雨と涙が頬で混じる。
クジラだ。シロナガスクジラが泳いでいる。悠々と。ゆっくりと。
手に持った刀でクジラの首を切る。
クジラから放たれた血が世界に飛び散る。血と涙と雨とが、今度は混じる。見境なく。
クジラ。そこに倒れていたのは目線の糸が切れた○○ちゃんだった。
はじまりは彼女
暗闇の中、歩く。
どこまでもどこまでも。
誰かが話しかけてくる。
--金のラクダを探せって言ったのに。どうして?
そう言って柿の甘い香りを残して消えていく。
歩みは止めない。
誰かが話しかけてくる。
--なぜクジラを殺したの、どうして?
そういって金木犀の匂いを残して消えていく。
歩みは止めない。
光は見えてこない。きっとどこまで進んでも闇なのだろう。構わない。
誰かがいた。
手に持った刀で切り伏せる。
わたしじゃないわたしがいた。
手に持った刀で切り伏せる。
○○ちゃんがいた。
手に持った刀で切り伏せる。
誰もがいる。
服を破り刀の血を拭い去りながらふと感じる。
線香の匂いがする。これが最後の香り。
はじまりは彼女
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