伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」感想

2024年4月12日金曜日

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最近中村文則さんばっかりだったんで、今日は伊坂幸太郎の「火星に住むつもりかい?」を読んだ。

ここでは「火星に住むつもりかい?」の感想を。


伊坂さんっぽくない小説

一番感じたのが、この火星に住むつもりかい?は伊坂さんっぽくない小説だな、という事。

伊坂さんってナイーブでそしてナルシストな人なのかなーと彼の書いた本を読んでて感じる。で、たぶん自分がナルシストだと気づいてないタイプの人なんだろうなーとも。

人の言葉にものすごいセンシティブ。でもそれは自分がナイーブでナルシストだからじゃなく、その相手が不躾なだけで僕は普通だ、と思っている人。自分を普通と定義している人、と言うか。

そういう人だと思っている。

自分を変な奴だと思っている(はずの)中村さんとは正反対といってもいいかもしれない。


こんなん言ったらあれだけど、小説家になってる時点で普通の人間じゃないと思う。


本の構成として、伊坂さんは三谷幸喜みたいな喜劇を描いていく作風の作家なんだけど、この火星に住むつもりかい?はその傾向がとてもひかえめ。


山田悠介という20年くらい前に一世を風靡した、そして僕がクソほど嫌いな作家(というか作家と言って紹介してる事すら腹が立つ。小説というには文章がしょぼすぎる)の書いた「リアル鬼ごっこ」みたいな世界観で、警察による魔女狩りが横行してる世界を描いている。


文体のよくなったリアル鬼ごっこ、みたいな感じ。


なんだろう、伊坂さん自身なにか問題を抱えてたんじゃないかなと思ってしまうような、普段のすっきりと大団円を迎える小説になっておらず、いらない登場人物も多いし、いらない描写も多いし、ラストもそこまで煮えきらないし、タイトルの「火星に住むつもりかい?」も物語を表していないし、全体的に稚拙な作り。


文体はぜんぜん読みやすいんだけど、作品全体として何が言いたいのかよくわからない、かといって笑って泣ける、とかそういうベクトルでもない、という本当によくわからない小説。


伊坂さん自身、なにか思ったことがありこの異色?の小説を書いたんだと思うけれど、それが伝わってこないのは残念だなーと思う。

前に読んだ「ガソリン生活」の方が伊坂さんっぽくて好きだった。

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