清水義範さんの「国語入試問題必勝法」。
まずなんだけどこれは入試対策本じゃない。皆さん想像されてる赤本みたいなやつとか、有名予備校講師が今でしょ!みたいなのを本の帯で叫んでいるタイプの本じゃない。
小説。
小説としての「国語入試問題必勝法」というタイトル。
ここではそんなわかりづらいタイトル、清水義範さんの「国語入試問題必勝法」の感想を。
めっちゃ面白い
清水さんの「国語入試問題必勝法」めちゃくちゃ面白い。
結構古い本だし、書いてる人の名前も清水義範ってめちゃめちゃ堅物だし、もうほぼ書道家の名前じゃんだし、であんまり期待してなかった。
んじゃあほみたいに面白い。
声出して笑っちゃうくらい面白い。
なんでもこの清水さんはほかの作家の文体のマネ、これをフランス語でパスティーシュっていうらしいけど、それを得意とする作家さんらしい。
ただ今から30年以上前に出された古い本なんで、清水さんがこの国語入試問題必勝法の中で真似してる作家が誰なのかわからない。
あ、言い忘れてたけどこの国語入試問題必勝法は短編集で、たぶんそれぞれの短編集ごとにパスティーシュの相手は違うんだと思うし、短編によってはパスティーシュしてないのもあるんだと思う。
たぶん「猿蟹合戦とは何か」は太宰治の文体を真似したやつなんだろうなと思うけど、それしかわからなかった。
※追記:調べてみたらこれも太宰治の文体じゃなかったらしい。不勉強のなせる技、だな。
でもものすごい面白い。
「いわゆるひとつのトータル的な長嶋節」っていう短編はもうただの悪ふざけ。ただいろんな場面場面で長嶋茂雄に「永久に不滅です」て言わせたいだけやろ、で笑ってしまう。
もう漫才見てる感覚。これをそのままM1でやってもいいところまで行けるだろうってくらい面白い。
ここまでメッセージ性とかすべて捨てて、読んでて楽しい!に振り切った本いいなー。まじでものすごいい。
最近あたりが続くなー。
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