ジョギングでこけたことってある?
いや、オレもまさかこの俺がジョギングでこけるなんて思ってなかったし、もうなんていうかこれに関しては一人称オレ様だった。「え?この俺様が?こっけるわけないじゃーん!」くらい。それくらい自信あった。
世の中に絶対はないって言うけれど、これに関しては絶対といっても過言じゃなかった。絶対の自信があった。
んじゃこけた。
めっちゃ顔からいった。
めっちゃ顔からいって、めっちゃ痛かった。
ズサアァァァァ!
からの、一拍おいて、無。涼やかな風と虫の鳴き声、街灯の光がすぐ近くの遊具を照らしてる。桜の木が小さなつぼみをちらほらと。ああ、春の陽気。
で。激痛。
無じゃなかった。
こんなに世界は春なのに、オレだけがみじめに地面に手をついて、顔をこすりつけて、皮膚をところかまわずひりひりさせて。
これが今年の春の新作ひりひりですか。そうですか。
本当に顔面からいったから、鼻がズサアァァァァの餌食に。
オレの鼻が消しゴムなら擦り切れてなくなってたかもしんないくらいズサアァァァァ。傍から見れば「あれ?あの人地面に書いた文字を鼻で消そうとしてるサイケデリックな人かな?」と思ったかもしれない。
違うよ。こけたんだよ。すんごくこけたんだよ。大の大人が。
で、会う人会う人に説明がめんどくさい。
- 「ケンカっすか?」
- 「ど、どうしたんですか?」
そんなことならもういっそ、地面に書いた文字を鼻で消そうとしたサイケデリックでチャーミングな人、ってことになりたい。
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