なあ、突然だけどさ、やっぱ、こう、なんていうの、急によ、無性に、大根ゆでたくなることってあるよな。
え、ない?
嘘でしょ。
え、大根ゆでたくならないの?
え、んじゃ何ゆでるの。大根ゆでずになにゆでるの。
え、んじゃあ…、
え、「え、え、うるさい」じゃないよ。え、え、って連呼しちゃうくらいこっちも驚いてんの。こんなの山本太郎が令和新撰組とかいうの作ったときくらい驚いてるよ。
え、大根ゆでたくなることあるでしょ。大根だよ、ゆでたくな…、
らないよな。別に。
うん別にオレも大根ゆでたいなんて今まで一度もなったことない。ウソ、ぜーんぶウソ。よくあるタイプの嘘じゃん。そうそう昔からよくあるタイプの。そんな本気にしちゃって。ははは、もうやだ面白いんだから。
……
…
…で、でもさ、やっぱオレ大根ゆでたいんだよ、いや、ほんのちょびっとだけだよ。ほんのちょびっとだけ大根ゆでたい。
そう、すんごい純粋な気持ちで。大根ゆでたい。純粋無垢な穢れのない。
もう大根ゆで隊、っていう組織から勧誘来ねーかなって思ってるもん。今令和新撰組と大根ゆで隊に同時に勧誘されたら大根ゆで隊に入るくらいには大根茹でたい。
なんならなんか味とかつけて茹でたい。
ちょっと甘辛い味付けて、ゆっくり茹でたい。大根を。
もうイメージではさ、河川敷に寝ころびながらさ、夕日の赤さ、それからその後迫ってくる夜に少しの寂寥を感じながら、横に中島でもたずさえて、手を頭の後ろに組んじゃったりして、「なあ、中島、ぼかァ、大根がゆでたいなァ…」って言ってる。
「見てみろよ中島、あの雲、ソフトクリームの形にそっくりだろォ」って言いたい。
……
…
ん?
え。
「そこは大根じゃねーんだ」って?
いや大根みたいな形の雲って何?怖いんですけど。発想が。
そんな雲見たことある?ないでしょ。中島が横にいればだいたいなんでもイケると思ってんじゃないの。そんなことないから。
なんなら中島のキャパなんて一般人より低いから。
そう。
大根茹でたい。
いきなりこんなこと言われてすごく君は驚いたかもしれない。
そうだよな、普通こんなこと人には言わないもの。でも下心はない。本当なんだ、信じてくれ。本当に純粋に大根だけを茹でたいんだ。
いやわかってる。
そういって何かするつもりでしょ、って思うのは。そりゃそうだよな。男なんてみんなそう。女の子なら裏があるって思って当然だよ。
でも本当なんだ。この思いだけは。だから、信じてほしい。今はまだ無理でも少しずつでもいいから信じる努力をしてほしいんだ。頼む。
「大根茹でるってそれっておでんってこと?」だって?
いや大根ゆでるってそれっておでんってこと、っていう発想が突飛すぎて、ごめん、少しついていけない。めまいがする。
どうしてその発想になるのか。皆目見当がつかない。
サイコパスを疑う。
んじゃ大根茹でたい人がおでん作ったからってその熱く滾るパッションが解消されるとでも?本当に少しでもそんな風に思ったの?
もう大根茹でたいの話がだるくなって適当に話合わせてきてない?
オレは、ただ、味を付けたダシで、たぶん茶色く濁ってる感じの甘辛い感じの東西で濃さが違うかもしれないダシで、大根を、ゆでたいの。別にちくわとか入っててもいいし、こんにゃくとかもウェルカム。
ただそれだけ。
どこにおでんなんて言葉が出てきたの。
ていうか3文字の食い物なんてよく食べられるね。この文明社会で。
もう4文字が主流じゃん。
セレブ階級は5文字6文字よ。3文字って。そろそろ卒業しないと。
……
…
ていうか3文字禁止だと「ごはん」食えねーのか。
「ゴマ」も食えないじゃん。
んじゃ何食べるの。もう食べ物ないじゃん。スーパーに売ってる食い物だいたい出尽くした。
口にするものを4文字に絞って仮に1日生活するとして、何が食べられる。だめだ、ぼくには少々難題過ぎて、めまいに続いて頭痛がしてくる。一日大根だけだなんて、そんなん飢えてカラッカラに干からびてしまう。
……
…
!
あんパン!
チョコパン!
いける…っ!
パンに絞ればいける!すごいパン食になるけど飢えを感じることは何とか避けられそう。しかし大根とパンが絶望的に合わない。大根食べた後にあんぱん…、いやダメだ。
せめて大根がなんかそぼろが付いてる感じの、なんか甘辛い味濃いやつなら、総菜パンっぽい感じで食えるかもしれないけど、そうじゃないなら無理だ。
「そぼろ」が「そぼろろ」って名前なら行けたのに。いま無性に、そぼろって命名したやつを懲らしめたい。もう一回後ろに「ろ」つけるだけの簡単なお仕事だったじゃん。なんで手抜いたの。なんで…なんで、そんな…。ひどいよ。こんなのってない…。
……
…
せきはん!
おおっ!
これはもう発明。なんと4文字縛り生活でも米が口にできる。茹でた大根をおかずに赤飯食べられる。夢のようじゃん。もう縛りでも何でもない。ただの日常。完全に縛りから解き放たれてる。
……
…
ただここまできてあれだけど赤飯は食べられてもその中に入ってるあずきは食べられないよな。パンにしてもあんパンは食べられるけどその中に入ってる餡はどうなのとか、ゴマ部分どうすんのとかいろいろ問題が山積してる。
……
…
いやなんの話。
今はそう、大根茹でたい、について語ってる。
人ってさ、やっぱいろんな才能があるじゃん。努力の天才とか、いろいろあるじゃん。
でもさ何かで成功した人、その成功で一番大事なことって、やっぱり大根茹でたい、って気持ちだと思うんだよ。
どれだけ大根茹でたいって気持ちを持ち続けられるかどうか。それが大事なんだとこの年まで生きてきて思う。
誰だって子供のころはそういう純粋な気持ちを持ってるものじゃん。大根茹でたい、って。でもそれが年を取るにつれてどんどん変わっていっちゃって。
そういう純粋な気持ちでものごとにぶつかれなくなってくる。だからこそ今持ってる、大根茹でたい、って言う気持ちをぜひ大事にしてほしい。
大根を茹でる。
それは言葉でいうほど簡単なことではない。
それこそ○○の朝は早い、構文が似合う行動といっても差し支えない。大根茹で職人という職業が存在するかは定かではないが、もしそういった類の職業があって、プロフェッショナルで特集を組んだとしたら、○○の朝は早い、が冒頭入るだろう。
しかし大根を茹でるなんて死と隣り合わせの作業を仕事にするのは危険すぎる。親から反対されるだろうし、だからこそもしそういった職業があるとしても表には絶対に出てこないだろう。
なんたって大根茹でるなんてあのウルトラマンでも出来ないんだから。
大根茹でてる間にあいつら何人も死んでるよ。
胸のカラータイマーぴーぴーいわして。苦しそうに大根茹でてる鍋の前で死んでるよ。
それくらいの偉業。
人がその全身全霊をかけて行う作業。アマゾン流域の民族の間では大根を茹でることが一つの極刑とされているとかされていないとか。
だからこそオレは今、大根を茹でたい。
ただ鍋に大根を入れて、適当にダシ作って、電気コンロのスイッチを入れるだけの作業がしたい。料理といえるかどうかも疑わしい、ピッピッピッ、パッパッパッという「ピ」やら「パ」やらの何の重さもない擬音がまさしくピッタリ合う作業をしたい。
もう大根とかじゃなく、電気コンロのスイッチを入れたい。
……
…
ふう。
「大根茹でたい」というブログテーマだけでここまで文章書ければ上出来だなー。
今日は割と調子がよかった。
やっぱハンバーグこねたい、っていうピュアでセンチな気持ちが全面に出てるから文章にも熱がこもるんだろうなー。
……
…
ん?
え。
だいこんはどうしたのかって?
いやんなもん、もうブーム終わったよ。だいこんを大根に変換するのもだるいくらいもうブームは彼方に去ってる。今おれはハンバーグをこねこねしたいの。
おまけ
ああ、スクロールな。ブログテーマ「大根を茹でたい」じゃなかったね。おもいっきり「FFBE幻影戦争、スクロールって」って書いてるね。
これ有償ガチャのおまけで手に入るんだなー。
課金層とそうでない層で差が広がる気がするね。
……
…
おう、大根のシーンカットしたらツイッターで呟けるレベルの文量だったね。
おわり
0 件のコメント:
コメントを投稿